いらっしゃいませっ!
栃木県宇都宮市にある、カスタムカーショップBRENDAのコボです(°▽°)
中古車を語る上で絶対に外せない話が「走行距離」と「年式(年数)」の関係性についてのお話です。
実際にお店へ来店してくださるお客様の中にも、
「10年落ちで、走行距離が10万キロの中古車って本当に大丈夫?」
「中古車の年式と走行距離ってどのくらいがオススメなの?」
「年式と走行距離はどっちを優先したほうが良いの?」
などの「走行距離」と「年式」に関する質問が非常に多いです。
そこで今日はそのようなお悩みをズバッと解決していきます。
「自動車の寿命は10年10万キロ」なんて遠い遠い昔話。
「自動車の寿命は10年か10万キロを迎えるまで」
この言葉は1990年代、バブル崩壊の日本で誕生しました。
当時の日本は品質よりも低コストでそれっぽい形を作ることを重視していたので、自動車の品質も例外なく低いモノが多かったのは事実です。
さて、ここで皆さんに1つ聞きたいのですが、あなたの周りに1990年の流行語を使っている人っていますか?
ちなみに、1990年流行語は「オヤジギャル」「アッシーくん」「ブッシュホン」などです。
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いないですよね?(笑)
にも関わらず、1990年代の流行が生んだ「自動車の寿命は10年10万キロ」という言葉や知識を未だに使っているのって、ちょっと痛い感じがしませんか?
もちろん、今の日本の技術が1990年代と同等だと考えているのならば全く問題はありませんが、
21世紀の半ばに差しかかろうとしている日本車の品質が未だに1990年代と同じだと僕は思いません。
っと言うのも、2006年以降の国産車で、メンテナンス(オイル交換等)をしっかりしていて、消耗品を定期的に変えている車は基本的にペロッと20万キロは走ってしまいます。
「そんなの嘘だ!」
っと言いたい気持ちも分かりますが、これは既に日本のタクシーが証明してくれています。
日本のタクシーは30~50万キロは余裕で走る。
日本のタクシーは、オイル交換を含む「メンテナンス」の頻度が法律で決められている為、とても小まめにオイル交換やメンテナンスを行っており、車検も毎年行います。
さらに、各ドライバーは会社を出庫する前に、各点検項目に沿って点検し、責任者から確認印をもらってから出庫しています。
過剰なまでのメンテナンスを徹底的にする事で、タクシーは1〜2年で「30~50万キロ」の走行距離を走ってしまうのです。
ということは、みなさんが乗っている車も、オイル交換やゴム、ベルト、ブッシュ類などの定期的なメンテンナンスをしっかりすれば30万キロぐらいは余裕で走ります。
大切なことはメンテナンスの頻度です。
にも関わらず、なぜ未だに「車の寿命は10年10万キロ」という昔話が無くならないのでしょうか?
理由は簡単で、自動車メーカーにとってメリットしかないからです。
「自動車の寿命は10年10万キロ」が自動車メーカーにもたらす2つのメリット
1.買い替えを促せる
心理的な節目である「10年10万キロ」は、メーカーにとって買い替えを促進する都合の良い謳い文句です。
よくディーラーでのオイル交換、定期メンテナンスで、
「そろそろ10万キロですね〜。買い替えどきですね。」
「10年経過するんで故障が増えますよ。買い替えたほうがいいです。」
的な、口説き文句を言われた人って多いと思います。
これは別に「ディーラーの善意」ではなく、単に「自分にメリットがあるから」あなたに声をかけているだけの話です。
イメージしずらい人は「渋谷のナンパ」をイメージしてください。
もちろんコーヒーはおごるからさっ!!
でも、少しだけだからね( *´艸`)
(何コイツちょろすぎワロタwww)
この先のストーリーはみなさんの「むふふ脳内妄想システム」に託すとして、
ナンパは「ナンパされる側」よりも「ナンパする側」の一方的な都合というケースが9割を超えています。
なので、基本的に声をかけられた側、すなわち「消費者(女性側)」にとっては大したメリットがないというのが現状です。
2.輸出で儲けられる
みなさんは「10年10万キロ」を超えた車の行方を気にしたことはありますか?
スクラップにされるケースも少しはありますが、多くの場合はもう一度中古車市場で売買されます。
が、日本の市場だと「10年10万キロ」の価値は理解されていないためそこまで売れません。
おまけにディーラーで「10年10万キロ」の中古車を売って、お客様のもとですぐに壊れたら企業のブランドに傷をつける結果になってしまいます。
そこで日本人が10万キロ走って「乗りつぶしたなー。」と思っている日本車たちは、「下取り」という名目で安く買い取られ、その後東南アジアやアフリカなどの発展途上国で高く売られています。
東南アジアやアフリカなどの発展途上国では、エアコン、オーディオ、パワーウィンドウなどのオプションが高額なので、それらが標準装備で搭載されている日本車はとても高い人気を誇ります。
「走行距離が10万キロを超えていても、日本車は耐用年数が長くて、低燃費という非常に優秀な車で、標準装備が充実している」
と言うのが、海外の一般認識ということをまずは覚えた方が良いかもしれません。
例えば、中古車業界の最大手のIDOMが所有している「Gulliver」は、アメリカの企業「Uber」と業務提携を結んでアフリカに年間10万台の中古車の輸出をしており、アフリカでUberのドライバーを増やして未来的なアフリカで盤石の基盤を築こうとしています。
こんな感じで「車の本当の価値」を知っている人や、大きく優秀な企業は「車の寿命は10年10万キロ」なんて言葉のマジックには騙されません。
車の旨味が出てくるのは「10年10万キロ」を超えてからなのです。
とは言え、なんやかんやで走行距離が短い方が人気ということに変わりはありません。
なので最後に「距離数ごとの中古車両のおおかまな目安」というモノをご紹介しておきます。
走行距離と車両状態のおおまかな目安。
ここから先の話は「長年の経験」をもとに書いてゆくので、いささか論理的な部分が欠如しています。
あくまで感覚的なので「あっそ、ふーん。」程度に聞き流してくれると助かります。
① 走行距離「1万キロ未満」の中古車
走行距離が1万キロ未満の中古車は基本的に、「ディーラーの試乗車」か「大企業の社内社用車」というケースがほとんどです。
なので、ほぼ新車の状態で「新古車」なんて呼ばれたりします。
新しい年式が多く、ほとんど新車と変わらない価格帯なのが特徴です。
もし、年式が新しくて、走行距離が1万キロの場合は、何も考えずに購入しても90%を超える確率で当たりの車両を引くことが出来るでしょう。
新車の価格では買いたくないけど、新車に近い状態のモノを100万円ぐらい安く買いたい人向けです。
② 走行距離「2~4万キロ」の中古車
走行距離が「2〜4万キロ」の中古車は、基本的にはコンデションがまだまだ良く、内外装が綺麗な状態を保っているケースが多いです。
走行距離が2〜4万キロぐらいではほとんど新車のような雰囲気なので、エンジンルームの汚れ、ボディのヤレなどはちょっと手を加えてあげればすぐに綺麗になります。
裏を返せば、誰がどんな使い方をしていたのかを一瞬で見分けることが難しい車両だとも言えるでしょう。
とは言え、2〜4万キロも乗っているので節々に黄色信号が点灯しているのも事実です。
ので、そこそこの眼力を持っている中古車業者ならある程度は見分けることが可能です。
例えば、エンジンの音を注意深く聞けば「新車当時に慣らし運転をしたから否か」ぐらいはすぐに分かります。
この辺りから「良い中古車」か「悪い中古車」か、の進路が少しずつ決まってきます。
例えるなら、高校受験みたいなものです。
公立高校でも私立高校でも、高校生活3年間の頑張りでいくらでも人生は変わります。
なので、2〜4万キロの中古車はこの先の3万キロ乗り方、メンテナンス次第でほぼ将来が決まります。
言い方を変えれば、多少コンディションが悪くてもまだまだ誤差の範囲内という事です。
問題なのは、次のオーナーがその分岐点に立っていることに気づいているのかどうかです。
③ 走行距離「5~9万キロ」の中古車
走行距離が「5〜9万キロ」の中古車は、良い悪いの差が少しずつ顔を出し始めます。
車両自体に差が出始めると言うことは、「中古車市場そのものが歪み出す帯域」とも言えます。
どういうことなのかと言うと、
「この中古車は価値が高いものだ」と思っていたのに、実際はそこまで価値が高くない。
「この中古車は価値が低いものだ」と思っていたのに、実際はメチャクチャに価値が高い。
という「人の判断ミスや誤解が生み出すもの」が中古車市場の歪みになります。
その判断ミスや誤解が生じやすくなる走行距離が5〜9万キロなのです。
その歪みを狙えるかどうかが、優秀な中古車屋さんか、そうじゃないかの境界線になってくるので仕入れの腕の見せ所になってきます。
市場の歪みを上手く狙えば、5〜9万キロの最新モデル(現行)をコスパ良く買えるので、信頼できるお店を探して狙ってもらうのは十分にありだと思います。
④ 走行距離「10万キロ以上」の中古車
走行距離10万キロを超える中古車は、アフガニスタンの地雷地帯の次に危険な場所だと個人的には考えています。
もし地雷を踏んだら計り知れない程の損失を生み出しますが、地雷に気がつき上手に撤去できた時は、大きなリターンを生み出してくれます。
俗に言う「ハイリスク・ハイリターン」の世界観です。
リスクは跳ね上がりますが、それに見合うだけのリターンもあります。
ゆえに、10万キロ越えの中古車を多数扱っている老舗の中古車屋さん(10年以上)はかなりレベルが高いと言えるでしょう。
なぜなら、ハイリスク・ハイリターンの世界でお客様との信用を築きながら10年以上不透明感漂う中古車業界を生き残っている訳ですから、その腕を疑う余地はありません。
地雷を自分で踏むだけならまだ救いようがありますけど、その地雷を笑顔で他人に渡す人は必ず口コミや噂に殺され、中古車市場から姿を消してゆきます。
というふわふわしたで感じで今日は失礼しまーす。
よきカーライフをっ!