いらっしゃいませっ!
栃木県宇都宮市にある、カスタムカーショップBRENDAのコボです(°▽°)
中古車に限らず「10万円を超える買い物」をするときにどうしても
「これってもっと安くならないのかな?」
「値下げ交渉してみようかな、、、」
みたいなことをどうしても考えてしまいます。僕も一番初めに中古車を買うときは
「どうやったら値下げ交渉が成功するのか」
についてばかり考えていました。
が、10年を超えた今ならそれは大きな間違いだった、と理解することが出来ますし、周りの人にも断言することができます。
一度きりの取引関係ならガンガン値下げ交渉しても構いませんが、長期的な関係を望むのなら値下げ交渉は基本的にしない方が良いです。(あと、思ってるよりも世間は狭いです)
とは言っても、「他で買うよりもBRENDAさんから中古車を買いたい!」と強く思っているからこそ、値引き交渉をしてくれているのは痛いほど理解していますし、それに答えることも多々あります。(そもそも本気で買いたくなければ値引き交渉なんてしてきませんからね)
しかし、値下げ交渉はトータルで見るとお互いにメリットはあまりないように感じます。今日はその理由を深く掘り下げて解説していきます。
※買う側のメリットは言うまでもなく「安く買える」なので割愛させていただきます。
値下げ交渉をしている人は、相手をディスってることに気がついていない。
「もっと安くなりませんか?」
この言葉、実は商売をしている側からすると
「こんなクソみたいな商品にこの価格はないわーwww買ってやるからもっと安くしろよな(゚Д゚)ノ」
と同等の意味に聞こえてしまうのです。ちょっぴり個人の偏見が入ってしまうかもしれませんが、値下げ交渉をしてくる人は、相手の立場を下に見てしてくるケースが多いです。
大口のお客様にはへこへこして、小口のお客様にはガンガン値下げ交渉してくる、そんな感じです。
一言で表現するなら”横柄”な方なんです。
「どんな取引においてもお互いの立ち位置は対等なはずなのに、なぜ扱いを変えられなければいけないの?」
と相手が感じた瞬間に、その仕事へのやる気・モチベーションは急速に低下します。
やる気の低下は、品質の低下を招く
例えば、「100万円の中古車を20万円値引きしてくれ!」という横柄な交渉があり、大人の事情で止む負えず引き受けたとしましょう。
受諾した以上はなんとか納車までこぎつけますが、売り手側のやる気はかなり低いです。
なぜなら、値下げをした時点で利益率が低下してしまうので、そこまで儲からないタダ同然の仕事へなり下がってしまうからです。
言い方を変えればブラック企業のサービス残業みたいなものです。お金はもらえないけど仕事だけはさせられている状態です。
だれがやる気をだして仕事をしますか?(笑)
そうなってくると、出来るだけサッサとお金にならない仕事を終わらせたいので、
- 足回りの整備は無視
- 保証は1ヶ月以下にする
- オイル交換はやったことにする
- ボディーの磨きは洗車機にぶち込んで終わり
ないより恐ろしいのは、普段は絶対にそんなことをしない人たちでも、
「それぐらいの手抜きは仕方がない。」
と思ってしまう危険性が値引きにはあるところなんです。
もちろんこのご時世に、そんなことをする業者は数少ないとは思いますけど、実際にされても気がつくことは難しいでしょう。
そして手抜きの仕事が次に生み出すものはお客様とのトラブルです。
品質の低下は、トラブルを生み出す。
手抜きの整備をした中古車は、当たり前のようにすぐ壊れます。そうするとお客様は顔を真っ赤にして大激怒します。
タダで直せ!!!
訴えてやる!
言いふらしてやる!!
ネットに書き込んでやるぞぉこらぁぁぁぁぁあ!!!
といった具合に、値引き分はどこかで必ず回収されます。どんなに仲の良い業者さんでも慈善事業で商売はしていません。
結果、全員が被害者になる。
値下げ交渉をした側は、詐欺まがいの中古車を掴まされたと被害者意識が芽生え、値下げ交渉に応じた側は、値下げに応じたのになんでこっちがウダウダ言われなきゃいけねぇんだよ!、そんな被害者意識が芽生えます。
これって、結局誰が得をしているのでしょうか?全員がお金と時間と信頼をドブに捨てているだけですよね。
もちろんこういったケースはレアかもしれませんが、間違いなく日本のどこかで今日も起こっていることです。
「だったら、値引きの交渉なんて売り手側が受けなければいいじゃん!」
と考える人もいるとは思います。確かに値引き交渉は断る方が賢明ですけど、値引き交渉に応じるメリットがあるのもまた事実です。
値引き交渉に応じる2つのメリット
1.客層の広がりに期待できる。
社会人1年目の18歳、貯金がない20代、4人家族の30代。
日本には商品の価値を本当に理解していたとしても、支払うお金が足りないというケースは往々にしてあるものです。「今は諸事情でたまたまお金がない、、、」って人たちですね。
そうしたお客様をすぐに見切るのではなく、長期的に「WIN-WINの関係」を築けるかを吟味したうえで、値引きに応じればそれはお互いにとってハッピーです。
例えは微妙かもしれませんが、アニメでよくあるパターンの「困った老人を助けたら、とんでもない大富豪だった」なんてケースも実際にあります。
なので、一概に「値引き交渉=悪」とは言えません。
客層を広げるチャンスが値引きには潜んでいます。
2.素早く損益分岐点を超えることができる。
この「損益分岐点を超えるか、超えないか」は私たち売り手側にとっては死活問題です。八百屋さんでも、お肉屋さんでも、お魚屋さんでも、商売をしている人間はみんな、「損益分岐点へいかに早く到達するか」ということを常に頭の片隅に置いています。
※「損益分岐点」について知らない人は「損益分岐点とは利益0のポイント!計算式の覚え方や方法をわかりやすく解説」をお読みください。(←外部へ飛びます)
で、お客様から値引き交渉された時には、2つのことが頭の中をよぎります。
①利益率が下がるので、値引き交渉には応じない
②利益率を下げてでも、売ってしまう
具体的な数字を入れてみていきましょう。(細かい税金の話や表現の話は抜きにします)
例えば、オークション会場でメルセデス・ベンツを50万円で仕入れました。そのメルセデス・ベンツを仕上げて100万円で販売していました。
このままメルセデス・ベンツが売れれば、
100万円(売上)ー50万円(仕入れ値)=50万円(利益)
利益率は、
50万円(利益)/100万円(売上)×100(%)=50%(利益率)
となります。
次に、
「この100万円のメルセデス・ベンツを75万円にしてくれたら買う」という25万円のお値引き交渉をするお客様が現れました。
その値引き交渉に応じた場合どうなるのかというと、
100万円(売上)ー50万円(仕入れ値)=50万円(本来の利益)
50万円(本来の利益)ー25万円(お値引き)=25(お値引き後の利益)
利益率は、
25万円(お値引き後の利益)/100万円(売上)×100(%)=25%(利益率)
以上のことから、
25万円のお値引きに応じるということは、販売台数を2倍にしなければ、従来の利益率を確保できない状態になってしまうのです。
悪意を搭載した言い方をするならば「2倍の労働を強いられる」と同義の意味です。
もし相手が「2倍の労働とかめんどくさいっ」と思えるほどに儲かっている企業なら、値引きは受け付けない、というか受け付ける必要がありません。
一方、「今はとりあえず売上が最優先だ!」と損益分岐点ギリギリの経営状態なら、労働時間が2倍になっても契約を優先するでしょう。
この辺は売り手の懐事情を見た心理戦になってきますので、そういうのが好きな人はぜひ頑張ってください。
「値下げ交渉をお客様にさせてしまう」そんな考え方が販売店にあればそれは最高な車屋さん。
ここまでさんざん「値下げ交渉してくる人はビミョーだよね」みたいなニュアンスの内容を書いてきましたので、誤解してしまっている人が多いと思いますが、値下げ交渉をお客様にされている時点で、販売者側にも何かしらの問題があります。
例えば、
とキャバクラ客引きをしているボーイさんみたいな曖昧接客をしていたら、そりゃ誰だって
「ボッたくられているかもしれない」
と不安に思って、値引き交渉の1つや2つしたくなります。
ただでさえ不透明感のある中古車市場だからこそ、徹底した透明感をお客様に提供するべきことが売り手側にも要求される時代です。
ざっくりとしたほんの一例ですが、
と言って、ビシッと細分化された情報を見せるのは最低限の話で、
これを出したうえで、こちらから、
ぐらいの提案は販売者側のマナーです。
それすらしていないのに、「値引きされて萎えるわーw」と言っている人がいたらそれは少し的外れな意見です。(経営者として「乙w」な状態です)
もちろん、本当の接客の時はこの3倍以上詳細な情報を提供していますし、それが中古車を売る側の責任義務です。
中古車販売店はクルマを売るスキル以外にも「見積り書を綿密に作るスキル」なども必要なのです。
最後に中古車を買う上で地味に大切なことをアドバイスしておきますが、「インターネット上に顔が出ているから安心できる」という妄想はやめた方がいいです。
インターネットという仮想空間で見るべきモノは”見積書”であって、”相手の顔”ではありません。
相手の顔なんて店舗に行けば嫌ってほど見ることが出来るので、ネットでは数字的な部分をキッチリ把握して、売り手側の人間的な情報は実際に会ってみて判断しましょう。
まずは数字、その後にそのお店のパーソナルな部分を観察するのがベターです。
まとめ:値引き交渉はお互い慎重に行いましょう。
ぶっちゃけ、僕は基本的に値引き交渉は嫌いではありません。
なぜなら、値引き交渉をしていただけている時点でお客様の購入の意思はかなり強いからです。
しかし、横柄な値引き交渉、一方的な値引き交渉などモラルの欠いた交渉は嫌いです。
「もっと安くならないの?他はもっと安いじゃん!」
「これ他社の見積書。これより安くなる?w」
僕も人間なので、そういうお客様を見ていると普通にイラっとします。(本当すいません(._.))
個人的には「お互いに気持ちの良い価格を探す旅がお値引き交渉である」と考えています。
今後とも、お客様とそのゴールを見つけていけたら良いなと考えております。
ちょっぴりカッコいいことを言えて、少し恥ずかしくなってきたのでそろそろ失礼します。
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