いらっしゃいませっ!
栃木県宇都宮市にある、カスタムカーショップBRENDAのコボです(°▽°)
2015年ぐらいから話題になった「自動運転」と呼ばれる技術は、「私たちの世界を変える」とまで言われ、「中古車市場がなくなるんじゃないのか?」とまで騒がれました。
確かにアメリカや、アフリカなどでは十分に普及する可能性を秘めていますが、日本ではしばらく自動運転が普及することはありません。
ゆえに、中古車市場が無くなることもしばらくはありません。
今日はその理由を解説していきます。
「自動運転」とはなんぞや?
「自動運転」とは、
「ナビを目的地にセットすれば、寝ていようがゲームしていようが、全自動で目的地に到着可能な状態」
だと勘違いしていませんか?
確かにそれも自動運転の一部であることに間違いはありませんが、上記のような状態は「レベル5」のことで、現在では夢のまた夢の技術になります。
自動運転をざっくり一括りに考えてしまう人は多いと思いますが、
「自動運転」の技術は「レベル0〜5」までの6段階に分かれています。
レベル0【通常運転】
加速、操舵、制動の操作等をドライバーが全ての自分の手で操作をする状態のこと。
20年前の車がこのレベルになります。
要は、走る、止まるしか出来ない車のイメージです。
他に特筆する機能はありません。
レベル1【運転支援】
システムが加速、操舵、制動のいずれか1つを支援(サポート)している状態のこと。
ハンドル操作やアクセル・ブレーキ操作のいずれかが、システム的にサポートされている状態のことです。
例えば、
・先行車との距離を感知して一定の車間距離にスピード制御する
・居眠りをしたり余所見をしてしまい、車線の逸脱をした時に車線の真ん中に自動車を戻してくれるシステム
・突然の飛び出しに急ブレーキを掛けてくれるシステム
などなどたくさんあります。
ここで重要なことは、いずれかをサポートしていることです。
レベル2【部分自動運転】
システムがドライビング環境を観測しながら、加速、操舵、制動の内、同時に複数の操作をシステムが行っている状態のこと。
先程のレベル1は「いずれか」でしたが、レベル2は「複数」です。
ドライバーは常時、運転状況を監視操作する必要があります。
メーカーを挙げるならば、
・日産 「プロ・パイロット」
・テスラ「オートパイロット」
などが有名どころで、他にも「クルーズコントロールシステム」もレベル2に該当します。
レベル2まではあくまで、「サポート」なので運転支援と呼ばれています。
レベル3【条件付自動運転】
特定の環境(道路)においては、システムが加速、操舵、制動を行い、緊急時にはドライバーが操作しなければならない状態のこと。
特定の環境とは「高速道路」や「信号のない道路」です。
ここからがギリギリ「自動運転」と呼ばれるレベルになります。
基本的にドライバーは運転から解放されますが、緊急時はシステムから運転切り替えが要請されて、ドライバーがその処理(運転)をしなければなりません。
レベル3は「ドライバーが緊急時、素早く運転できない問題」が指摘されいます。
読書していたり、ゲームしている途中でシステムから
「緊急だ!運転しろ!!」と言われも、
「いいところだから無理!!」となる人がいる、というイメージで構いません。
ちなみにですが、レベル3で発生した事故の責任はドライバーにあります。
レベル4【高度自動運転】
特定の環境(道路)において、加速、操舵、制動といったすべての操作を全てシステムが行い、その環境(道路)が続く限りドライバーが全く関与しない状態のこと。
特定の環境は「高速道路」や「極限環境以外」です。
レベル3との違いは、特定の環境ならどんな状況でもシステムが対応出来ることです。
レベル5【完全自動運転】
考えうる全ての環境で、システムに運転を任せている状態のこと。
俗にいう「無人運転」。
現在多くの自動車メーカーがレベル5の自動運転車の市販に向けて、研究開発を行っています。
日本政府は「2025年までにレベル5を実現する」と目標を掲げていますが、結構厳しい目標だなと個人的には思っています。
恐らくですけど、「ごく一部の地域・区間でレベル5達成しました!」と言って終わりそうです。
アメリカでは2025年までに間違いなく「レベル5」は実現可能ですが、
日本でレベル5の自動運転が普及するには15年ぐらいかかると予想しています。
その理由は、解決困難な問題が3つあるからです。
日本で自動運転の普及が遅れる3つの問題
1.「責任の所在」問題
「自動運転レベル5で走行中に起こった事故は誰の責任なの?」
という問題です。
企業なのか、運転手なのか、あなたは答えを出せますか?
この議論は自動運転レベル3を超えたあたりから議論が活発化しそうな問題です。
このぐらいの問題は少し頑張れば解決できそうな気がします。
どちらかと言うと、次の「誰が悪魔になるのか問題」の方が難易度は高めです。
2.「誰が悪魔になるのか」問題
実は、レベル5の自動運転技術を作るのはさほど難しいものではありません。
既存の自動車に大量のセンサーを付けて、高速ネットワーク経由で分析・解析できるシステムを搭載して、あとはプログラムが動くだけなので、今でも50万円あれば搭載は可能だと思います。
では、なぜ自動運転レベル5の普及が遅れるのかと言うと
「緊急事態のプログラムをどうするのか?」
という問題が解決していないからです。
例えば、
自動運転レベル5になると、このような難しい状況判断をプログラムに組み込まなければいけません。
お金を払っている運転手を助けるのか、
未来のある幼稚園児を助けるのか、
運転手が70歳なら幼稚園児を助けるようにするのか、
運転手が20歳なら幼稚園児を3人殺すのか、
運転手がアメリカ人なら幼稚園児を殺すようにプログラムするのか、
運転手が日本人なら幼稚園児を助けるようにプログラムするのか、
「自動運転レベル5を実現する」と言うことは、こういったエゲツない諸問題全ての正解を出すということに繋がります。
ここでの大きな問題は、「誰が悪魔になるのか」すなわち、どちらを殺すのが正しい選択なのかを誰かが決めなければいけない、という点です。
例えば、先ほどの問題だと必ず誰かしらは死にます。
「運転手」か「幼稚園児3人」か、です。
もし、「いざとなったら運転手を殺す」というプログラムを許可した場合、そもそも車自体が売れません。
なぜなら、500万円以上の大金を払って運転手を殺すかもしれない車を市場の人間は欲しくないからです。
そうなると必然的に、「いざとなったら幼稚園児を3人殺す」というプログラムしか残っていません。
が、そのプログラムを企業の社長が許すワケがありません。
間違いなく、「幼稚園児を殺すクルマを作った人間」という肩書きと共に、ヒトラー並みの悪名が歴史に名を残すことになります。
そうなってくると最終的には感情論が混ざってくるので、かなーりめんどくさい問題になりそうです。
もし読者の中で、日本人の9割が納得する回答を出せる人がいたらノーベル平和賞を受賞できるかもしれません(笑)
そのくらいの難問です。
現状では、「手動運転よりも、自動運転の方が事故率は低くなります」を盾に選挙して、法律で縛るしかないと思います。
3.「コストを誰が負担するのか」問題
これらの問題が解決してようやく「いざレベル5だ!」というときに立ちはだかるのが、「コストは誰が負担するのか問題」です。
自動運転レベル5が実現すると、多くの人が車に乗ります。
多くの人が車に乗ると、より多くのエネルギーが必要になります。
より大きなエネルギーが必要になると、何かしらの環境が悪化します。
走るクルマが電気でも、ガソリンでも、水素でも、必ずどこかにしわ寄せが来ます。
そこを上手く設計しないと、後々苦労するのは後の世代の人たちです。
日本国内の数値だけを良く見せるなら、ロシアにケーブルを引っ張って電力の輸入を本格的に検討するべきですし、
世界的にイイ感じに設計したいのなら、今から真剣に考え、動き出さないと間に合いません。
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とまぁ、そろそろゴールの見えない話になってきたので失礼しまーす。
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