いらっしゃいませ!
栃木県宇都宮市にある、カスタムカーショップBRENDAのコボです。

「R33は失敗作だ!」
「R33はくそダサい!」

そんな辛辣な声がネットではしょっちゅう聞こえてきます。

伝説と呼ばれたR32は販売台数4万3000台を超える超大ヒット作。その後継となったR33はわずかに1万6000台強しか売れていません。

確かにR32のインパクトは相当に強烈で戦績も神ががっていました。

けど、R33の方が速いという事実を今一度再認識しながら、なぜ未だに「R33は失敗作の不人気車」と言われているのか、今日はその理由を探っていきたいと思います。

R33、普通に凄い車ですからね(‘ω’)ノ

【R33 主要スペック】
販売期間:1995年~1998年
ボディサイズ:全長4675×全幅1780×全高1360mm
エンジン形式(型式):直6DOHCツインターボ(RB26DETT)
総排気量:2568cc
最高出力/280ps/6800rpm
最大トルク:37.5kgm/4400rpm
車両重量:1530kg

R33、「マイナス21秒のロマン」は現実である。

「マイナス21秒のロマン」

これはR33のキャッチコピーです。

R32がニュルンベルクで出したラップタイムをR33が21秒も更新したことがキッカケで、R33にはこのようなキャッチコピーがつきました。

当時のGT-Rの存在意義は、「グループAで勝つ」ただそれだけでした。
※グループAとは、短くても300kmにわたる長丁場で順位を競い合うレースです。

もR32とR33が同じグループA(300km)に出場していたのなら、約5分もの大差がついてしまうのが「マイナス21秒のロマン」なのです。

R33の進化は誰の目から見ても文句のつけようがないレベルでした。

しかし現実は販売台数にも出ているように、R33は全くといって良いほど人気が出ませんでした。

レースの実績もさることながらベース車としての人気もあるR32。
圧倒的なパワーをタイムで証明したにも関わらず不人気なR33。

何がR33をそんなに不人気にしたのでしょうか?

R34が不人気な理由は3つあります。

不人気の理由1.ボディの超肥大化、俊敏性の低下

R32は、贅肉が削ぎ落ちた細マッチョボディ。
R33は、贅肉っぽい筋肉のデブボディ。

R32のユーザーからの唯一の不満点は”居住性の低さ”でした。

そんなユーザーの意見を反映させ居住性を改善したR33は、ボディのサイズが13センチ大きくなり、ホイールベースも10.5センチ拡大されました。

「後席の足元が快適になった(*’ω’*)満足満足!」

という幸せなエピソードにはなりませんでした。

「車体がデブになってダサい」
「全体的にモッサリしている」

リリースしてすぐにユーザーがそんな声を上げだしたのです。

ホイールベースが長くなるということは、俊敏性の低下を意味します。

例えば、

R32は、”右にハンドルを切る→車体が動く”なのに対して、
R33は、”右にハンドルを切る→→→→→車体が動く”ぐらいの感覚です。

R32より21秒も早くなっていることは事実なのですが、当時の世論は過剰なまでにR33を毛嫌いし、「R33に乗るヤツはバカだ」ぐらいの論調になってしまいました。

そうなってしまうのも無理はなく、R33を買う人はR32に乗っていた人がメインになります。

つまり、R32の世界観をぶっ壊し、見た目をもっさりさせてタイムだけが向上したR33を許せなかったのです。

不人気の理由2.土屋圭市、日産広報の詐欺行為にガチギレ事件。

これは伝説の「土屋圭市、広報チューン・ガチ切れ事件」です。

土屋さんが自分のR33 V-Specを持ち込み、日産の広報車であるR33と直接対戦したのですが、結果は土屋さんの大惨敗。

「いや、そういうこともあるんじゃないの?w」

確かにこれが一般人の話なら分かるのですが、ドライバーはあのドリキンこと土屋圭市さんです。

ドライバーに問題があるわけない。

ってことはマシンパワーに差があったんじゃないの?

そう思いレース後に日産の広報車を調べてみると、出るわ出るわ不正チューニングの数々。

車高が市販モデルよりも低く調整されていたほか、キャンバー角の変更、ブーストがかけられている、オイルクーラー交換、導風板の追加など、お世辞にもノーマルとは言えるR33ではありませんでした。

控えめに言って「超スペシャルチューン」でした。

動画を見た人なら分かると思いますが、

清水さん「広報車オイルクーラーついてるんだろ?油温110°Cくらいだもん(笑)」
土屋さん「あぁそう…」この瞬間の空気がすごく気まずくて、
黒澤さん「みんなでもねえ、速すぎ!」で、話をそらすという地獄の時間が発生。

当時の土屋さんの怒りも相当なものだったことから、

「マイナス21秒ってのも日産が作った嘘なんじゃないの?」

と、日産が打ち出したキャッチコピーまで嘘っぽく見えてしまい、

「やっぱりR32が最高だよね!!!」

そんな論調が加速したのは想像に難しくないと思います。

不人気の理由3.イニシャルD 高橋啓介のディスり。

「R33なんざ豚のエサ」

高橋啓介はRX-7(FD型)使いの、GT-R嫌いという設定の超人気キャラです。

ことあるごとに、GT-R乗りに対して批判的な態度を取る彼ですが、中でも愛読者たちに強烈なインパクトを与えたのが、「R33なんざ豚のエサ」というセリフでしょう。

実際にプロがサーキットを運転してみた結果を見ても、R33は絶対的に速いのですが、高橋啓介の「R33なんざ豚のエサ」でR33を嫌いな人が数多く誕生してしまいました。

しかし、実態は根拠に乏しいただの風評被害です。

だって、R33は名前しか登場してないんだもん(笑)

っていうか、R33に限らずスカイラインGT-Rは、アニメや漫画では基本的にこき下ろされる運命なのかもしれません。

ハイスペック4WDを搭載するGT-Rは、誰が走ってもそこそこ峠を疾走できてしまうのが問題点ですからね。漫画的には面白くないでしょう。

唯一、首都高やサーキットが主戦場である「湾岸ミッドナイト」では神扱いされているので、R33嫌いが発症する前にぜひ読んでみてください。

神奈川の湾岸線では逆に高橋啓介のFDがブタのエサですよ。ハハハッ

そもそもR33は峠を攻める車ではない。

「あれは日産の失敗作だ」

そもそもR33は峠の入り組んだコーナーを攻めるにはあまりにも不向きなクルマです。

R33の大柄なボディと車重が影響し、R32に比べて峠を転がしにくくなったのは紛れもない事実でしょう。

確かに失敗作と呼べるかもしれません。

しかし、R33の主戦場はAグループです。

サーキットや公道でR32に劣っている点はほとんどないでしょう。

峠の走り屋のニーズに合わなかったからといって、すべてのユーザーにとって「ブタのエサ」にはならないのです。

日産をフォローするわけではありませんが、ユーザーが求めていたモノとGT-Rの使命が合わなかった”時代”が悪かったのかもしれません。

さて、そんな風評被害で不人気になってしまったR33、実はチューニングするとモンスターマシンに生まれ変わるんです。

知ってましたか?

R33ほどチューニングが楽しい車はない。

チューニングで大化け。

R33の開発はR32がリリースされた直後から始まっていましたが、ちょうどバブルの崩壊に巻き込まれたこともあり、R33は予算的に当初の計画を大きく変更せざる負えませんでした。

パーツの共用化は多数あり、ステアリングホイールやパワーウィンドウスイッチなどは基本的にマーチと同じで、シートはR32と同じバケットタイプを採用。

表皮は明らかにダウングレードし、内装の質感は当時の新車価格で500万円のクルマとしては正直チープで貧相としか思えない作りでした。

さらに残念なのが、インテリアのデザインはセダンの煌びやかさがタップリで、無駄が多く、スポーティーさが全く足りていません。

予算の削減から軽量化の夢は叶わず、車重が大幅に増加。

唯一の進化はエンジンパワーが上がってタイムが縮んだだけ。

ネガティブな要素がたくさんあるR33だが、こうは考えられないだろうか?

「鍛えがいがありそうだな、、、」

ボディのデカさは剛性の表れであり、1000馬力にも耐えられるボディな上、長時間の運転の疲労軽減システムとも言えるでしょう。

ホイールベースの長さは、言い換えれば「ドライバーの多少のミスは見逃してくれる」という評価にもなります。

さらに、R32よりもタフなRB26DETTエンジンのチューニングや、予算の都合上できなかった軽量化を自らの手で進めていく、、、

さらにさらに、R33の場合はECUが倍の16ビットに進化しており、電子制御系の処理速度が爆速になっているのでリミットを全部取っ払って、再セッティングをするだけでも十分に面白いかもしれません。

と言うか、バッテリーをトランクルームに移設し前後のバランスを向上させたところなんて、今からでも評価されるべきポイントだと個人的には思います。

イジるところがありすぎてチューニング厨にはたまらない逸品だと思います。

だからこそ25年経った今でもR33を好きな人ってたくさんいるんでしょうね。

LMリミテッドと400Rを見ても「R33は失敗作だ」と言えるのか?

R33には切り札がある。

R33 GT-Rがル・マンへの参戦記念として期間限定販売された”LMリミテッド”という車をご存知だろうか?

LMリミテッドは、チャンピオンブルーのみが販売されたスーパー超激レア車です。

さらに、NISMOが手がけたコンプリートカー「NISMO 400R」は、その名のとおり400馬力を発生させるハイパフォーマンスモデルで、生産台数はわずか55台とこれまたハイパー激レア車です。

この2台は日産の技術力の高さを存分に詰め込み、あのキャッチコピーのようなロマンを感じさせてくれる魅力があります。

ここまで仕上げたR33を見てもなお「R33は不人気の失敗作」と言うなら仕方がないでしょう。

好き嫌いってやっぱりありますからね、、、

まとめ:GT-RがGT-Rとして進化することの難しさを学びました。

親が何かしらで成功していると、その子どもは苦労します。
長男が優秀だと、次男はそれを超えることを期待されます。
最初のテストで99点を出してしまうと、次のテストは100点が当たり前になります。

どの世界でもそうですが、先代が優秀な存在だと、大体次の世代は苦労させられます。

スカイラインGT-Rで言うならば、

R32、99点の伝説的な存在。
R33、70点で進化の糧に。
R34、120点で神になる。

みたいな感覚です。

分かりやすく炭酸飲料で例えるなら、

R32、コカコーラ。
R33、ドクターペッパー。
R34、レッドブル。

なので皆さん、今日からR33を見たら、

「あっ、ドクペだ」

と思ってください。

確かに最初は嫌いかもしれません。苦手かもしれません。

けど、3回も見れば好きになります。

R33はそんな不思議な魔力のある車です。

でわまたっ。

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