いらっしゃいませっ!
栃木県宇都宮市にある、カスタムカーショップBRENDAのコボです(°▽°)

僕は板金塗装のお仕事に縁のない人間ですが、お客様からの質問があまりにも多いので「完璧に答えよう!」と思い、ついつい勉強していたら意外と奥が深く面白いことに気がつきました。

前置きはこの辺にして本題です。

「ぼかし塗装とはなんぞや?」

その技術や仕組みについて説明していきます。

ぼかし塗装とはなんぞや?

ぼかし塗装とは、「対象パーツ+隣接するパーツを塗ること」を指します。

「はっ!!?余計なことするんじゃねぇよ!このぼったくり野郎がぁあぁあぁ!!!」

と思った稀代の早とちりさんは少し落ち着いてください。

最初は僕も全く同じ気持ちでしたが、しっかり説明されれば「なるほど(‘ω’)ノ」となるのでしばしお付き合いください。

まずは下記の画像をご覧ください。

我ながら神ショット(*´з`)

男性女性問わずに大人気で、整備士泣かせの「VWのビートル」です。

特段変わって色味に違和感はないことが分かると思います。

この技術が「ぼかし塗装」になります。

「??????????」

となるのは分かります(笑)

あと10秒だけ待ってください。

ここでぼかし塗装の対義語として「ブロック塗装」の説明をしておきます。

ブロック塗装とは「対象パーツのみを塗ること」です。

それではブロック塗装をご覧ください。

どうですか?このビートルを見て何か違和感を感じませんか?

そうです、そうです。

実はこのビートルはフロントは「ブロック塗装」なのです。

よーく見ると3つの色味が出てしまっていることが分かると思います。

「2」が純正の色味

ちなみにこの写真は同じ日に塗装して、同じ日に組み付けて、同じ車両で撮影したものです。

もちろん写真の色味加工もしていません。

これが「ぼかし塗装」と「ブロック塗装」の決定的な違いなのです。

塗装とはなんぞや?

塗装について多少の知識がないと、ぼかし塗装を理解するのは到底不可能なことなので、まずは塗装のざっくりとした手順をご紹介しておきます。

まず最初に、メーカーから提供されているデータ通りに塗料を計量し、調合し、色味を作っていきます。

しかし、データ通りに計量してもせいぜい70%~90%ぐらいの色味しか再現できないのが実態です。(ちなみに、最低でも95%以上色味を再現できないと誰が見ても色味が違うことに気づかれます)

それでは、データ通りに作った「70%~90%の色味」をどうやって「95%以上の色味」まで近づけていくのでしょうか?

ここからが職人技になってきます。

職人が実際に色板に試し吹きをして、その色板を実車のパーツ部分と並べながら色の調整をしていきます。

この作業が難しいのは言うまでもありません。

なぜなら、車両の色は単純に液体だけで出来ているわけではなく、鉱物などを含んでいる場合もありますし、蛍光灯の光、水銀灯、LEDライト、太陽光、と千差万別な環境で違いが分からない色味を作る必要があるからです。

さらに、光が正面から入った時の色味、光が斜めから入ったときの色味まで考慮して調色していく必要もあります。

もっと細かいことまで言うと、気温、湿度、風、なども考える必要があります。(だから塗装は室内ブースで行うことが多いのです)

これら一連の作業を素人が完璧にこなせるようになるには最低でも3年はかかると言われました。

そのぐらい難しいのが塗装の世界です。

それをさらっとやるのが本物のプロたちです。

さて、ぼかし塗装に話を戻しましょう。

やっとの思いで調色を終え、何とか97%程度の色味を作ることに成功したとしましょう。

オリジナルの色味を100%とした場合、その差は「3%」です。

調色は人間が行うものなので色味の100%再現は不可能です。

そこで問題になってくるのが「3%のズレ」をどうするのか、と言う問題です。

その3%のズレをやんわり「ボカス」のが「ぼかし塗装」で、明確な境界線を設けてしまうのが「ブロック塗装」になります。

さらにこのぼかし塗装のテクニックは人それぞれ違います。

例えば、

Aさんは、調色したものにボカシ剤を入れて塗装します。
Bさんは、クリア塗装にボカシ剤を入れて塗装します。
Cさんは、シンナーで薄めます。
Dさんは、ガンの操作のみでぼかしを表現します。


このように、一口にぼかし塗装と言ってもその人の技術はさまざまです。

※ちなみに先ほど見せた写真ですと、色味は93%ぐらいしか合っていません。
なので、このビートルは再塗装をする必要があります。

ぼかし塗装とブロック塗装はどちらがお得なの?

個人的には間違いなく「ぼかし塗装」をオススメします。

写真でみてもらった通り、クオリティが雲泥の差です。

しかし、ぼかし塗装は塗装するパーツが多いのでブロック塗装よりも料金が高いです。

が、高い価格に見合った満足度と完成度はお約束します。

もちろんブロック塗装でも極力は調色で色味を合わせているのでそこまで気になるほどではないと思います。

が、絶対にぼかし塗装のクオリティには敵いません。

この辺りはご自身の懐事情と相談しながら決めてみてはいかがですか?

豆知識:ぼかし塗装はグラデーションではなく、ケーキの上にまぶす粉砂糖のイメージ。

ここから先はマニア向けの話になってきます。

ぼかし塗装のイメージは、「旧い色味と新しい色味の間をグラデーションのように傾斜をつけて色差を判らない様にする」ではありません。

ぼかし塗装のイメージは「新旧塗膜間に新しい色味をまぶす作業」なのです。

パーツに色を塗る通常の塗装をしながら、その作業中や作業後にパラパラっと「チョコレートケーキの上にまぶす粉砂糖」のような作業こそが真の「ぼかし塗装」なのです。

他にも「先ぼかし」と「後ぼかし」という技術もあるので、もし気になる人はググってみると奥深い塗装の世界にハマっていくかもしれませんよ。

まとめ

ザックリな言い方をすれば、

「ぼかし塗装は高い。でも満足度が高い。」
「ブロック塗装は安い。でも満足度が低い。」

という結論になるでしょう。

でわまたっ、皆さまが良い塗装屋さんと出会えますように(‘ω’)ノ

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